渡辺亮 個展「妖怪探訪」と木霊物語

渡辺亮さんの個展のご案内です。

 

2014年 9月 2日(火)〜 7日(日)
11:00 〜 18:30(最終日16:30)

アートステージ567
京都市中京区夷川通り烏丸西入巴町92
TEL 075-256-3759
市営地下鉄「丸太町」⑥番出口より徒歩1分
http://567.gr.jp/
無料です。毎日、画廊にいます。

最終日の7日は、会場にてライブ演奏を行いますので、
16:30までで一旦、展示は終了します。
LIVEは、CHAMADA(松田美緒&渡辺 亮)
開場 17:30 / 開演 18:00 / 料金 2000円 (kanda yokai

 

この写真は、確か、2012年の4月。東京神楽坂で開催された「諸国お化け物産展」に、渡辺亮さんが作品を展示されたので、

小澤敏也と観に行ったときの記念写真です。

左から時計まわりに、渡辺亮(妖怪研究家、アーティスト、パーカッショニスト)、令夫人、小澤敏也、筆者。

そして、写真の後方に映っているが、亮さんの作品で「木霊」。バルサ材を芯に、パテで人工的に、亮さんがつくった木そっくりなアートです。

小澤はこの時、この作品がたいそう気に入っていました。

自分の生まれ故郷の杉並区善福寺公園(家の前が公園なので、庭の感覚)にいるようだと、

言っていました。

私は、それが印象的でずっと覚えていました。

時は流れて、小澤の癌がわかり、仕事関係の皆さんには、病名を伏せて音楽活動をしていましたが、

いつしかそれも限界となり、

末期の癌で腹水が溜まり、歩行困難になっていた時期のことです。

容姿を気にして、気軽に人に会うことを避け、

死を前にして、会うべき人に順番に会うようなマネージメントを私が担当していました。

亮さんは、私とともに、生前から本人が自ら病名を打ち明けた唯一の身内ですので、

最期に面会というよりは、終活のための楽器の運搬や、死後の楽器の管理を私ととともに行うような具体的な相談もかねて、

打ち合わせておくべきことがたくさんあったという印象でした。

多忙な亮さんに、一日、日を空けていただけることになったので、私が亮さんにアポをとるときに、

「もし、可能ならば、療養の供に、木霊をひとつ、レンタルしてもらえないだろうか?」

と、私からお尋ねしました。

亮さんは、大笑いして、

「じゃ、一応、持って行くけれど、ツルは、いらん、って言うかもしれんよ。」

と、冗談のように受け止めていました。

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それで、これが、生前に最期に会った時の写真です。

亮さんは、約束どおりに、木霊を持ってきてくれて、

しかも、それがコンプリートで、まるで目の前で森ができてくるように、次々と並べていってくれたのです。

小澤には、このことを内緒にしていました。

小澤は亮さんが大好きなので、私が亮さんを困らせていると思うと、私を叱るからです。

でも、その時の小澤の台詞は、

「まりちゃん、よく気づいたね。」

でした。

自分に何が、一番、必要かを、私が察していたと、褒めてくれました。

亮さんは、大爆笑しながら、

「いや。まりちゃんが言うけん、一応、持ってきたけれど、ええんか?」

と、確認すると、改めて、小澤は、

「少しの間、貸して欲しい。元気がでるから。森を持ち歩きたい。」

と、頭を下げました。

 

木霊は、散歩の時には、腰につけた巾着に携帯し、

眠る時には、枕元に。

普段は、食事をするテーブルに置き、部屋全体を見渡せるところに置いていました。

車椅子で、ドラックストアにいくと、段差があるので、店の前で待っていてもらい、私が買い物をさっとすませようとしたとき、

ふと、振り返ると、木霊を巾着から出して、眺めていました。

「木霊」は、霊界的な創作意図として、「アンテナ」の役目をするそうです。

小澤は、浄化の作用があるといいました。邪気を払ってもらえる。癌さえも消える気がすると言いました。

そして、枕元に、木霊を置いて、小澤は亡くなりました。
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葬儀、焼き場の後、親族だけでの会の中で、

亮さんは、木霊の世界の作品でもあるビリンバウケースを遺族に披露して説明してくれました。

姉の恵子さんが持っているのが、小澤が持っていた木霊です。

 

 

1511446_498285526949525_344269038_n木霊は、小澤の死後、いろんな場所に移動し、「アンテナ」の役目を果たしています。

写真は、兄夫婦、姉と筆者の4人で、武道館にローリングストーンズを観に行ったところ。

姉の恵子さんは、木霊をロックに振り回していました。

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さて、これは、ただいまの個展で展示中の「木霊」です。

小澤が持っていたひとつが、欠けているピースのように、していただきました。

現在、その木霊は、小澤の姉がお借りして、小澤のアンテナの役割を担っているのですが、

いつの日か、機会があれば、この木霊の兄弟たちと対面させてあげたい気持ちです。

アンテナ同志の会話が聞こえるようです。

「ローリングストーンズ、行ったよ。」って。

 

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木霊には、本体の木霊とともに、

亮さんのもっと後の時代の作品には、それをポップに描写した「木霊スケッチ」もあります。

 

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ビリンバウケースの「木霊の世界」も、京都ならではの展示方法で、世界感を感じることができます。

天窓からの光が美しいので、これは、ぜひ、明るい時間と、暗い時間、両方観るのが良いそうです。(ギャラリーの方、談より)

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個展の全景と、

展示してある「コンチェロ」。

他に試奏できる楽器は、「マヨネーズクワトロ」がありました。

 

 

 

亮さんと小澤が共演した最期の仕事は、

2013年7月の福島ビアフェスティバルでした。

この時の亮さんの妖怪的ブームは、韓国の鬼でした。

 

ピカソに「青の時代」のような人生を輪切りにした作風の特徴があるように、

この個展には、様々な時代の渡辺亮ワークスが観られます。

ルーツが、中学生の軽便鉄道の模型とジオラマ。(同じゲージで旅立ち可能だそうです。)

小学生から続けている妖怪のボールペン画。

「木人」(もくじん)の時代。

「ムジナ」

寺を模写していた小学生時代がルーツの作品群。

そして、

福島 いわきの渡辺亮+OVO NOVO のポスターからわき上がる汽車とサンバの融合。

京都ならではの、「フラリと普通にギャラリーを覗きにきた外国人」に、

一生懸命英語で、「森羅万象の妖怪」について、レクチャーをする亮さんの姿も観られました。

 

渡辺亮さんのファンの方、妖怪について知りたい方はもちろん、

小澤敏也にご興味のある方にも、ぜひ、観ていただきたい展示です。おすすめします。

 

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