PANDEIROCKER　小澤敏也

１１月７日浅草で行われた「SASAKUSAS」という
東京藝術大学先端芸術表現科日比野克彦研究室が企画する
アートイベントにJINGLE GYMで参加した。
浅草で起こる、地域密着型、偶発多発的芸術活動という趣旨。

当初「Kamishibaing」という紙芝居団体が出るので
その客寄せ演奏をするものと思っていました。

実際には単独の出演者（アーティスト）としての参加ということでした。
実は、SASAKUSAS打ち合わせ、地元商店街に対するゲネプロなど
行われていたのですが、僕のスケジュールとまったく合わず
ぺとらのまりりんさんにお任せしていたのです。

打ち合わせに参加してくれたまりりんさんによると
日比野さんから「街から音楽が立ち上がるようなことをしてほしい」
という要求を提示されたと。
なるほど・・・
音楽そのもの、もちろんアートだと思っています。
でもせっかく「アートイベント」に出るわけだから
普段ステージで演奏することと異なる要素をやってみようと決心。

「ストリート・ストーリー」
街を歩く１２人
僕とすれ違うときに鞄からパンデイロを取り出し「パン！」と一発
そのくりかえし
しばらくするとそれが二拍のフレーズに
やがて一箇所に集って合奏

JINGLE GYMは普段から振り付けをしない。
ローリング・ストーンズが好きな僕は、みんなバラバラというのがカッコイイと思ってる。
このストーリーならメンバーもパンデイロに集中できるだろう。

しかしこの先がたいへんだった。
下見に行くこと三回。
人が通行しているところでやることを目的としているのだが、
あまりに人通りが多い雷門通りは断念。並木通りを選択。
浅草という土地柄、高齢の方も多い。
突然「パン！」と叩いて心臓麻痺をおこされてはいけない。
シャラシャラ～とならしてから「パン！」に変更。
当日は「酉の市」ということが発覚。
通行人の邪魔にならないように歩道の左右隅に分かれて叩くことに変更。
前日には「協力商店、全店を回って何かやってほしい」という要求が。
「地域密着」だからね。それにも応えなきゃ。
このテーマは僕が熱狂的に支持する「Ｊリーグ１００年構想」のテーマの一つでもある。
そりゃぁ大切なことです。
まりりんさんが「各お店で即興で歌うから」といってくれたので、
その伴奏をパンデイロで。
曲が終わったらパンデイロで三本締め。商売繁盛を祈願します。
「酉の市」にかけたわけです。
１２人がぞろぞろ移動するので、そこはしっかり行列して団体観光客風に。
あくまでもパフォーマンス。
このことは、メンバーには当日朝、現場で伝えた。

当日・・・・
JINGLE GYMのパフォーマンスがどれだけアートだったかどうか、
それは僕の手を離れたものなので、遭遇した人の判断にお任せです。

メンバーには感謝です。
リハーサルから当日まで、数多い内容の変更を理解し体現してくれるスキルの高さには感動しました。
僕はメンバーを誇りに思う。
ぺとらのまりりんさん。
僕の代理で会合に出てくれたり、SASAKUSASシンボルフラッグの付いたトートバックを人数分製作してくれたり、
商店まわりでは次々即興で歌ってくれたり。
事務、道具、出演者と大車輪の活躍。
まりりんさんがいなければ途中頓挫したことはまちがいなし。
ありがとうございました。

久々に「アート」した日々でした。